やっと

2011年からお借りしていた真我里の畑をお返しすることになり、置いてあった荷物や苗木を大原の畑に移動させました。真我里畑は600坪ほどありましたが、地主さんのご厚意で3年前から100坪.(三年前)200坪(二年前)と300坪(今回)をお返ししました。

昨年末までという話だったのに結局3月いっぱいかかってしまって、申し訳ないことをしました。


本音をいうと、私は最近の農業政策や軍事政策にかなりの危機感を感じているので、とりあえず、農地を守り、持続可能な方法で食べられるものを育てたほうがいいと思っているため、肥料などの入手が困難になったとしても、続けていけるパーマカルチャー的手法を試していたのですが 自生した桑の木などを大きくなるまで成長させ 剪定枝なども堆肥にしていくという方法はあまり一般的ではないので、”嫌がらせ”と誤解され、理解が得られなかったことが残念です。

とはいえ、長年、場所を提供してくださったことにとても感謝しています!

畝づくりしたあとは、耕うんも殆どせず、草を刈り倒し、米ぬかを少し蒔くくらいで 豆類、雑穀、ハーブや根菜などを植えていました、始めの頃は一面 オヒシバやハマスゲだらけだったことを思うと、あきらかに植生は豊かになっています。数年前、萌さんにねじねじを埋めていただいたのも良かったと思います。今日数えてみると、カラムシ(苧麻)、オオバコ、オニタビラコ、センダン草、琉球すみれ、カタバミ、シペラス、カンナ、夕顔、アメリカフウロ、アカメガシワ、桑や月桃など20種類ほど自生した植物に、芋やムクナ豆やアップルミントなど後から植えた草たちがこぼれ種や地下茎で増えていました。雑草というなの草はなく、ミネラル豊富で薬効があるものも多いです。







真我里の畑は砂地で、海抜45cm。昔は周囲一面田んぼだったそうですが

農業政策により、土を盛り、畑にして今では殆どがサトウキビ畑です。

それでも昔は豆との輪作だったそうです。

今は、代わりに化成肥料と農薬、除草剤三点セットを病害虫防除の名目で使用することになり

適正量使用しているかの調査(ODA調査)があり、基準をクリアすると助成金(税金)が農家に支払われます。その割合は、サトウキビ価格の8割。殆どです。


栽培期間中、使用される薬剤は沢山ありますが、なかでもラウンドアップに代表されるグリホサートやネオニコチノイド系の農薬は、健康被害がでて海外では訴訟がおきていますし、ミツバチがいなくなる大きな原因といわれます。2-4-Dにいたっては、ベトナム戦争で使用された枯葉剤と似たような成分です。散布する本人が一番被害を受けるということで、若くして病気になったり、なくなったりする方がいるけれど、因果関係を調べているわけではないので 黙認されている。

農家は違和感を感じつつ、国の政策だし、サトウキビが必要というなら仕方がないと続けている。 

元、製糖工場に勤めていた方が退職後にサトウキビ栽培を始め これは製糖工場の人のために続けているんだと伝えたよ、とおっしゃっていました。


製糖工場は民間の株式会社なのになぜ、そこまで多額の助成金が毎年支給されるのか?というと

農業政策の一つで保護されているからです。


農薬のことは、報道さえも規制されていたようですが 

薬剤の被害被害は米国だけでなく、世界中で多くの訴訟が起きているのだそうで

企業の責任が問われ 昨年やっと沖縄でも、農薬の影響についての報道があり 有機栽培が見直されています。

3月24日 農水省のかかげている「みどりの食料システム戦略」

環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案

有機栽培農家などを参考人として、質疑が行われました。


内容の説明は、印やく智也さんのFB投稿に記載されていますのでこちらでは書きませんが 

「みどり食料システム戦略」はブラジルの大規模開発事業を元にして作られたものではないかというくらい似ています。


1970年代、日本がブラジルのセラードでODA(政府開発援助)として大豆やトウモロコシを栽培する、大規模農業開発事業をしました。

土地改良、技術協力、企業との連携、農地造成や生産費の資金提供などを行い、大豆やトウモロコシを生産する世界有数の穀倉地帯に変貌させた事業で ブラジル版「緑の革命」ということで成功事例とされていますが、反面 深刻な環境破壊を招いたということで批判されています。


2013年、新たに日本とブラジル政府が連携してモザンビークで大豆栽培が始められました。


かつて、米栽培を主にしていた久米島は 船から見ると 緑の球のように美しいということで

”球美島”と呼ばれたと聞いたことがあります。それが、戦後の政策で土地改良、技術協力、企業との連携、農地造成や生産費の資金提供など まさにブラジルの政府開発援助と同じような政策により、現在サトウキビ栽培が基幹産業に位置づけられています。

更に、農地集積をすすめられていることから、とても心配です。

沖縄は耕地面積も小さく、ブラジルのような大規模栽培にはならないけれど それぞれの島が海に囲まれていること、亜熱帯性の気候で作物が生育しやすいという条件があり「実験」に最適、という話を聞いたことがあります。


実験といえば 昨年11月に種苗法が改定され ゲノム編集作物が承認されています。

「沖縄県農と食連絡協議会」ではそのことを懸念し 今治市のまちづくり条例などをお手本として、沖縄県条例を作ろうということになっていましたが、関係団体に反対され、ゲノム編集作物についての規制がいれられなかったと、先日 協議会の方から連絡がありました。

利害関係が絡むと 話がややこしいですが、身内を分断させる政策、というのもあるようです。

けれど 情報を全て伝えず、環境への影響を軽視して政策をすすめるのは 危険と思います。


企業経営的な農業の稚拙な導入は農民からの土地収奪を加速する可能性があると、JVC報告(上のリンク)に記載されています。

農薬の規制基準値を緩め、空中散布を可能にし、焦点になっていたゲノム編集作物を いったん、種苗法を通過させてからしれっと追加するやり方などはどうかと思います。


それでも 有機栽培農家を招いての国会質疑があったことで、政策の見直しもありうるのだと思います。有機栽培農家(参考人)の意見を聞くと、有機栽培はニッチなので、多少 高くても需要はあるが、経営は大変ということをおっしゃっていました。

そもそも 農家だけでなく、食べる人、環境にまで大きな影響を与える 有機栽培農家にこそ助成金を支払い、保護すべき対象ではないかと思います

また別の方(参考人)は、今までと全く違うやり方があるとも。

私も、ティール組織という新しい方法を取り入れるなどすると面白そうと思ってます。

目標達成のために、アメーバのように組織形態を変えてゆく 

上下関係はなく、問題解決のために連携するということができればいいな


ということで、長くなりました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


そらいろのたね

人と自然が共存できる暮らしをめざして できることから実践してみよう!と2011年から、果樹や薬草、稲や豆など多様な植物を育てています。

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