自然暮らしと、うみとそら
28年前、久米島の海でダイビングをして 海中世界にすっかり魅せられました。
それはまさに、世界観の変わる出来事でした。
それから数年あと 海水温度の上昇によるものと思われるサンゴの大規模な白化現象があり
カラフルな海中世界が一転、真っ白な墓場のようになってしまいました。
雄大であるはずの自然(海)が、実はとても儚いのだと氣がついたのです。
当時、海で栽培しているもずくの収穫作業のお手伝いをしていたとき、 陸から船で30分ほど沖あいに設置している栽培網に種つけされたもずくと、陸近くに自生する天然もずくの状態が違うことがあり気になっていました
沖のもずくは、強力なポンプで吸い上げてもなかなかちぎれないほどしっかり根づいているけれど、
陸近くのもずくだけが、切れて流されていることがあったのです。
陸から流される生活排水や、畑に散布される農薬の使用量がとても多いと聞いたのはそれから間もなくでした。
海藻も生きもの(草)です。汚水が地上から流れてきて弱ることは 簡単に予測できます。
漁業と農業を兼業する人も多いこの島で、なぜそのようなことが続けられているのか?
いったいどんな理由があるのだろう、と思っていた頃
農林水産省の委託事業、”農業動態構造調査”の仕事を紹介され
農家さんを対象として、聞き取り調査をすることになりました。
今年で13年目。
内容は毎年ほぼ同じですが、祖父母の家が北海道の酪農家だったということもあり、農家の大変さをよく聞いていたので 依頼された調査とは別に、農家さんの要望をお聞きして伝えようと思い、尋ねたところ
多くの方が先々の不安を口にされ、サトウキビの他によい作物などの情報があれば教えていただきたい、という意見がありました。サトウキビは糖度により買い上げ価格が決まっていますが、それはけして多くなく 高齢化した農家では収穫作業ができず、委託すると経費が上がり、収入はますます少なくなります。
さっそく農林水産省や役場の農業推進員さんにお伝えしました。
しかし、いくら待ってもそういった情報が農家に伝えられることはありません。
散布する農薬に助成金がつくことはあっても、有機栽培にはありません。
これは何かある、と思い その背景にある事を調べてみると
そこには驚くほど大きな出来事が関係していたのです。
農林水産省のHPで、”農地集積”や ”スマート農業” の計画があると知ったのはもう何年も前です。
近年、’みどりの食料システム戦略”と名称がつき 計画は進められています。
けれど当時の計画の理由に ”農業の担い手が少ない”とありましたが
2011年の大きな震災や、遺伝子組み換え作物の輸入などで
”安心安全な食べ物を育てたい”という需要は年々、高まっています。
遺伝子操作された植物を大規模栽培するという方法よりも、
自然の循環をお手本にする方法が、人にも環境にも良いのではないかと思います。
多様性のある生きものたちが のびのびと育つ 美しい星であってほしい。
農業=ツライ というイメージがありました。
けれど、想像力をはたらかせ ”これまでにない暮らし方” ができるように
作ってゆくことができたら、これほど楽しいことはないのではないかと思います。
取り組み方は、いろいろあります
できることから、始めてみませんか♪